また、観光バス部門では今から60年以上前の1956年に氷を利用した日本初のサロンタイプ冷房観光車を導入したりと積極的な経営で目覚しい発展を遂げてきました。 近年になってからも発展を続け、バスロケーションシステムによる都市新バスシステムを都営バスに続いて1984年にいち早く導入。1978年に北陸道、1985年に関越道が開通すると、すぐさま県内の各バス会社と共同運行で県内各地をはじめ、東京・大阪などへの都市間高速バスの運行も開始しました。 しかし、平成に入ってからはモータリゼーションの影響で乗客は年々減少、経営も苦しくしなってゆきました。 そのような中での改善策として、路線の再編と分社化を開始。元々あった新交貸切バス、新交佐渡貸切バスを1993年に新交貸切バス(現・新潟交通観光バス)、新交北貸切バス(旧・新潟交通北)、新交西貸切バス(旧・新潟交通西)、新潟交通佐渡の4社へ分社し、各担当地域の路線を委譲しました(※新潟交通西と新潟交通北は2007年4月を以って新潟交通観光バスへ統合)。親会社である新潟交通は1990年に現在の屋根を赤く塗った塗装に変更、翌1991年にはバスカードシステムを導入、2005年には郊外線への系統番号導入、2011年にはICカード乗車券の導入とサービス改善に努力してきました。 最近では子会社が東急バスや都営バスから中古バスを購入する一方、新潟交通のバスも中古バスとして各地へ出荷されているようで、国内では北は北海道から南は沖縄まで元新潟交通の観光バスが走っているほか、極東ロシアやミャンマー、フィリピンなどの海外でも元新潟交通の路線バスが走っているようです。 2011年11月現在、グループ全体で乗合バス約600台、高速・急行バス約90台、観光バス約150台を保有し、このうち乗合バス600台の中には、人と環境に配慮したアイドリングストップ機構付ノンステップバス120台、アイドリングストップ機構付ワンステップバス134台(うち、車いす対応車120台)、アイドリングストップバス78台(合計327台)が含まれています。
営業エリアとして新潟県下越地方と佐渡全土を担っています。 そんな新潟交通について、簡単にですが勉強してみましょう。 |
1、車号の見かた 基本的に "登録番号 → シャーシメーカー" の順に並んでいるだけなので、難しくはありません。 |
★頭のアルファベットの内訳 (上図(1))
AとFは、中型塗装式ナンバープレート(車長7m以下かつ定員29名以下の小型車)となります。 新潟ナンバーは3桁化先行地域でしたので、1998年5月19日よりG(A)からH(F)へ変更となりました。 ★アルファベットにつづく数字 (上図(2)) この数字はナンバープレートの登録番号と同じです。 ★シャーシメーカーの内訳 (上図(3))
以上をまとめ、上図を例とすると───
※1:H100以降の車両には側面の車号記載が無くなりました。 ※2:小型車、観光車、高速車は車体への車号表記はしていません。 ※3:G代(新潟22か)のラストナンバーは入船営業所のG1605-Nとなっています。 なお、「新潟22か」におけるラストナンバーは越後交通県央観光の1610と思われます。 それ以降はH代(新潟200か)へ変更となり、トップナンバーは羽茂営業所のH4-Mとなります。 |
2、車両デザイン カラーリングの種類は大きく分けると路線バス塗装と観光・高速バス塗装の二種類に分かれます。 ここではこの二種類をもう少し細かく分けて見ましょう。 ◆一般路線バス 1:赤屋根塗装 (赤バス)
当初は青帯より上を全て赤く塗っていましたが、市民が新聞やテレビで激しい批判を繰り返したため、その後すぐに現在のような雨どいより上のみを赤く塗った塗装へ再変更となりました。 2:銀屋根塗装 (銀バス) 全て従来どおりの銀屋根塗装が基本となっています。 子会社の購入した中古車も銀屋根となっています。 3:貸切塗装 貸切塗装なのは、冠婚葬祭等で貸切を行う際に兼用出来るようにするためなのだそうです。
4:その他
※本体からの転属車、一部中古車を除く ◆高速バス・観光バス 1:観光バス ちなみに、ボディカラーのアイボリーホワイトは"雪"、グリーンは"笹だんご"、あずき色は"笹だんごの餡子"をそれぞれイメージしたものと言われています。 以前には県外高速車と同様の赤帯が入った特別車輌(ダブルデッカーや3列シート車)も在籍していたのですが、現在では全て廃車となってしまっています。
2:県内・県外高速バス 県外高速バスのほうもデザインはほぼ同じですが、Nラインの中央に特別車を示す赤ラインが加わります。 また、社名部分も赤色ではなく金色となります。 3:エアポートリムジン
◆ラッピングバス
最近の傾向では、窓の全てをラッピングする車が少なくなった分、窓の一部と屋根のエアコンユニットまでをラッピングする車が増えたようです。 2000年4月の東京都条例改正以降、全国的にもすっかりメジャーとなったラッピングバスですが、新潟交通でのラッピングバスの歴史はこれよりも古く、全面広告をはじめたのは1994年10月で、最初はコニカが開催した"バスペイントコンクール"で4台のバスがペンキによってペイントされました。 現在のような"スポンサー広告"としてのラッピングが初めて登場したのはそれから2年後の1996年10月のことで(※一説にはフィルムを使用した全面広告バスは新潟交通のこれが日本初と言われているが真偽の程は不明)、当時はまだ全国的にも珍しく、しかも窓まで全てラッピングしていたので「車内が暗くて護送車に乗っているみたいだ」などと乗客の評判はイマイチでした。 しかし、住友3Mのラッピング用フィルムを採用してコンピュータによって対候・発色性に優れた美麗なCGラッピングが容易に実現できるようになってからは乗客からの評判もよくなってきたようで、2000年3月に登場した不二家ペコポコバスなどはキャラクターが描かれてる辺りから子どもたちからあっという間に人気を得て、営業所への問い合わせも相次いだようです。 → ラッピングバスギャラリーへ |
3、その他もろもろ
簡単に言うと、89年式まで1番、90年式から2番のようなハイバックシートへと変更になりましたが、00年式からは低床バスの導入やコスト削減などの点から3番に、そして04年の11月からは独自デザインの採用を止めてカタログ仕様になりました。07年からは色が緑系から青系に変更されています。 3番は00年式以前から中型車や小型車などではすでに昔から採用されていました。あと、ノンステップバスの車両もそうですね。
どちらも4列リクライニングシートが基本です。 (撮影用に手前の座席はリクライニングさせています。) ただし、長距離路線である京都・大阪線と名古屋線では3列独立シート(右)を採用しています。
1番(WS-20型)が86年式まで、2番(WS-210型)が87〜98年式まで、3番(WS-230型)が99〜05年までで、06年からは交通バリアフリー法に伴い、目立つ色の4番(WS-260型)へと変わってきました。なお、78年以前は大光電気製(いわゆる緑ブザー)を採用していました。 2番は、94年式までのは点灯時の下半分が薄黄色で95年式以降のは点灯時は下半分が赤色に点灯します。
1番は主に87年式まで(子会社転属により全廃)、2番は1991年式まで、3番を2001年式まで採用して、2002年式からは4番、2003年からは5番のデジタル運賃表示器を使用しています。 2007年からはOBCビジョンを採用し、液晶画面のものに変更されました。 なお、佐渡の車で40マスタイプ装備車はデジタルを最近導入した関係で年式に関係なく3番のを装着して います。(佐渡以外の子会社ではデジタル運賃表示器は採用されていません。) 新潟市内の均一路線を走る初代ノンステップバスにはフルLEDのが装着されており(右上)、新潟市観光循環バスでは液晶モニタでも停名表示が出ます(左下)。観光循環バスではその停留所最寄りの観光スポットの映像が一緒に流れるようになっています。また、一部の基幹バスでは中扉より後にも停名表示の出る液晶モニタが取り付けられています(2007年度導入車のみ)(右下)。
路線バス(西小針・松浜線等)は無線方式なので、音声合成装置による案内放送を流すとその都度信号が送信され、基地局を経由して各バス停のバスロケーションシステムが反応・表示します。 高速バスのほうはGPSシステムを使用しており、衛星からの座標データをもとにして表示されています。 現在では新潟国道事務所と北陸信越運輸局のバックアップのもと、パソコンや携帯電話からリアルタイムでどこからでも運行状況が確認できるようになっています。 → にいがたバスアイ
このように最寄りの停留所まで歩く事が困難な地域の人のために、1983年12月より一部の路線でフリーバスシステムが採用されました。 新潟交通が定めた区間内では、バスに向かって手を挙げればどこからでも乗車・降車が可能です。 その際、運賃は沿線に設置されている運賃変更境の杭を参考に最寄停留所の運賃が適用されます。 特に佐渡島では公共交通がバスしかないため、本線・金丸線・金山線・素浜海岸線と小木線の一部を除いた全線がフリーバス運行区間となっています。 ※フリーバス運行区間についてはバス路線図に於いて点線で表記しています。
※ 旧系統番号 (〜2015/09/04)
また、新潟交通と新潟交通佐渡の全エリア、および新潟交通観光バスの一部エリアでは上限運賃制度を設けています。
新潟市内線(系統番号の振られている路線)と高速バス路線には国際放送企画製が、新潟市近郊外線および各子会社の全路線、一部の高速バス(村松線等)ではエンドレスエコー製がそれぞれ使用されていましたが、県内高速バスと新潟交通本体の車輌はクラリオン製の音声合成装置への切替工事が進められ、2003年末には国際放送企画製は絶滅、エンドレスエコー製は分離子会社でのみ聞く事が出来ます。 ◆万代シテイバスセンター前における各社の比較 (mp3形式、128kbps) ── エンドレスエコー製 ・・・・・・・・・・892KB、57秒 国際放送企画製・・・・・・・・・・・・352KB、22秒 (合成装置への切替によりほぼ絶滅) 国際放送企画製 (19系統 水族館線)・・・228KB、14秒 (合成装置への切替により絶滅) 国際が”万代シティ”に対して、エンドレスエコーが”万代スィティ”と言ってる辺りが独特です。 ついでにエンドレスエコーが“ウォーター”を“ウオーター”って言ってるのも… ◆運行前テスト放送における各社の比較 (mp3形式、128kbps) ── エンドレスエコー製 ・・・・・・・・・・408KB、26秒 国際放送企画製・・・・・・・・・・・・340KB、21秒 (合成装置への切替によりほぼ絶滅) 国際放送企画製 (19系統 水族館線)・・・452KB、28秒 (合成装置への切替により絶滅) たまに間違って流れる事があるので聞いたことある方もいるかもしれません。運行前に流すテスト放送です。 言っている内容はどこのも一緒…なハズなのですが、水族館線のだけ一部異なっています。 エンドレスエコーや国際放送企画ので「ワンマンコーダーの準備はよろしいですか?」と言っている部分が 「ワンマンコーダーの準備はよろしいでしょうか?」と言っています。そこだけ違ってますね。
★床!
長年にわたり木床を伝統として貫いてきましたが、G1000番台(90年式)以降はロンリウム張りとなりました。 色はクリームの暖色系を採用していましたが、99年のセミツーステ導入後はグレーへと変更されています。 ★買い物荷物置き台! 新潟交通の路線バス利用者にとってはもはや日常的に見慣れたもの。でも、エリア外から来た人が見ると驚くのがこの正式名称「買い物荷物置き台」。 座席と窓の間に幅15センチ程度の台が設置されていて、荷物置き場として昔から利用されています。 全国的に見ても採用例の少ないこの買い物荷物置き台は、天井の網棚に置くのは面倒くさいが床に荷物を置くと停車時に転がっていってしまうという乗客からの意見を汲み取って1981年に初めて登場、それからは導入する路線バスにはこの買い物荷物置き台が標準装備されるようになりました。 しかし、15センチずつ座席が通路側に寄るということで2000年に施行された交通バリアフリー法などを理由に、1999年に導入されたH100-Mを最後に同年以降の導入車からはその姿を消してしまいました。
★整理券! カラフルな模様入りの整理券テープを使用したりする事業者も多いですが、新潟交通ではシンプルな無地のテープを使用しています。不正利用を防止するために整理券には各車の発行機の番号3ケタ(001〜999番のどれか)が入ります。(番号は車号に関係なくランダム) デザインはグループ全体で統一されていますが、新潟交通佐渡の一部の車両だけはスタンプのデザインが若干異なっていたりします。 なお、新潟交通本体では2007年度導入分の車両よりスタンプ式からサーマル式になりました。 ◆新潟交通グループ内で見られた整理券の種類(スタンプ式)
★窓! 基本は上下二段サッシ。窓枠はシルバーでした。98年式のH75から大型車は逆T字窓に変更となりました。 また、サッシの色もここから黒へと変更になりました。 小型車はこれよりさらに早く、最初に導入したのが当時佐渡で新製導入されたG1603〜1605で、以降は小型車も逆T字窓となっています。 高速車は県内用がメトロ窓、県外用は固定窓となっています。 ★ドア! 大型路線バスは96年式まで前後扉が基本でしたが、97年式より前中扉へと変更しました。 なお、地方郊外路線用の中型車などでは以前より前中扉は採用しています。 後(中)扉は引戸で、折戸の車両は現在は小型車にのみ採用されています。(中古車は除く) 県内高速車は折戸、県外高速車はプラグドア、ノンステップ車はグライドスライドドア(前扉)となっています。 ★テールランプ! いわゆるバス協テールは93年式までで、94年式からは角型テールランプに。 大型車の車号で言えばG1340以降になります。 ★ほか車両全般! → 車輌ギャラリーへジャンプ! |
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こんなものでしょうか。細かく見ればもっと出てくるのですが、キリが無いのでこの辺りでやめておきます。 間違い、ツッコミ等ありましたら、メール等でお知らせ下さい。 なお、細部に於いては多少省略している部分もあります。 ※車内で撮影された画像は運転士様了解のもとで撮影しております。 許可なくみだりに車内へ立ち入ったりしないよう、ご注意願います。 |
参考資料:バスジャパンハンドブック新潟交通、新潟交通20年史、季刊(月刊)新潟交通、新潟日報 撮影協力:新潟交通、新潟交通観光バス、新潟交通佐渡の各営業所 Special Thanks!:うちのさま、12浜浦町さま、循環山の下さま (五十音順) |